「書く」が最もハードルが高いスキル
英語4技能(読む・聞く・話す・書く)の中で「書く」が最もハードルが高いスキルだとよく言われます。確かに「文章を書ければ(それを)読める、聞ける、話せる」わけですが、必ずしも「文章を読めれば書ける」「文章は聞き取れれば書ける」「文章を話せれば書ける」とはなりません。
また、「読みっぱなし」、「聞きっぱなし」といった多読、多聴は英文の理解度を高めますし、「話しっぱなし」も多少のミスはあっても滑らかなアウトプットにつながります。しかし、「書きっぱなし」は書くことに抵抗感がなくなることはあっても、大学でレポートや論文を書く、ビジネスの現場で書くという状況で必要な英文ライティング力を効率的に上達させることは望めません。
書き上手になるために
書き上手になるための最短ルートは、上手な書き手から添削を受けることです。これは外国語だけに言えるのではなく、母語の日本語も同じですよね。新聞記者なども先輩記者からの赤ペン修正によって書く能力が高められると聞いたことがあります。
原稿をチェックしてもらいフィードバックを受け取ること、そして指摘された部分や修正された部分をきちんと確認して再考して書き直すこと、これを続けることが一番だと思います。ただ直された原稿を眺めるだけでは「書きっぱなし」で終わってしまいがちなので、書き直すことが大切。文章は推敲を重ねることで内容の精度が高まるので、ライティングスキルの向上には複数回の添削のやりとりが必要です。
添削と言っても、文章の「てにをは」を修正してもらうだけでは不十分で、文章構成の指導が非常に重要です。特に英語の場合、要点が最初に来て具体的な内容がそれに続くという黄金ルールがあるので、文章の組み立て方の基本は「起承転結」と習ってきた日本人にとってはスタートラインから発想転換をする必要があります。
アメリカ流のライティング指導
学生時代にアメリカに語学留学をした時、私はライティングの授業が好きではありませんでした。原稿が真っ赤に見えるくらいに赤が入ったペーパーを返却されるたびに非常に落ち込んだものです。文章の終わりには先生が書き込んだ Why? How? でびっしりです。「そこまで詳しく説明しなくちゃ伝わらないの?!」とため息をついては書き直して再提出したものです。
アメリカ流のライティング指導は原稿を出しても修正してくれません。単に「気づき」のコメントを入れてくれるだけなのです。何度かの校正を経て、最後にExcellent!という文字が書かれていると嬉しかったのを覚えています。
また、アメリカではほとんどの大学にライティングセンターが常設されており、英語のネイティブでもノンネイティブでも、学生がチューターからライティングのアドバイスを無料で受けられる施設があります。
ライティングセンター(Wikipedia)
特に留学生にとって、レポートなどの課題に取り組む時には駆け込み寺と言えましょう。チューターは補助役の学部生や院生などライティング指導ができるスタッフが対応してくれます。文法チェックもしてくれますが、もっと根本的にライティングに必要な部分、どういう目的でどういう構成で書くのかについて、チューターはヒヤリングを通してアドバイスや相談に乗ってくれます。
基本的に予約制で、限られた時間内での作業なので他力本願でライティング指導を受けるわけにはいきません!何度かライティングセンターのお世話になると英語ライティングのコツが徐々にわかってきます。
日本の大学ではアカデミックライティングの科目はあっても、単位科目にはならないライティングセンターでの学習はまだ浸透していません。書く力はなかなか一人では身につかないので、日本の大学でも日本語と英語のライティングセンターが常設されると教育の質も上がるのではないかと思います。
次回からジーワン・コミュニケーションズの”Business Connections”コース受講記をお送りします
英語ライティングを学び始めた昔々を振り返ってみました。さて次回からはジーワン・コミュニケーションズの “Business Connections”コース受講を通して感じたことや学んだことなどをお伝えします。次のブログでは第1回目のケーススタディ「新規顧客への自己紹介」のセッションについて報告しますね。
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以下の記事に続きます。
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